コレステロールは動脈硬化をひき起こし、やがて狭心症、心筋梗塞、脳硬塞などを起こすことがよく知られています。コレステロールには動脈硬化を促進するLDLコレステロール(悪玉コレステロール)と動脈硬化を抑制するHDLコレステロール(善玉コレステロール)がありますが、家族性高コレステロール血症は、悪玉コレステロールであるLDLコレステロール値が高くなる病気です。血中のコレステロール値が子供の時から高くなり、正常の2倍のコレステロール値になりますので、男性では30歳頃から、女性でも50歳ぐらいから心筋梗塞を発症します。
家族性高コレステロール血症の男性は30歳から、女性は50歳頃から心筋梗塞を発症する。家族性高コレステロール血症患者の死因 | ||||||
死因 | 患者数 | 年令(年) | コレステロール(mg/dl) | |||
男性 | 女性 | 男性 | 女性 | 男性 | 女性 | |
心筋梗塞 | 57 | 38 | 60±13 | 72±9 | 348±74 | 356±63 |
脳卒中 | 5 | 8 | 68±11 | 71±4 | 356±71 | 345±111 |
がん | 17 | 8 | 59±12 | 63±11 | 343±70 | 335±88 |
その他 | 11 | 12 | 71±8 | 76±11 | 303±72 | 362±75 |
総数 | 90 | 66 | 61±13 | 71±9 | 344±72 | 353±74 |
このように家族性高コレステロール血症は比較的若い年代から心筋梗塞を起こすので恐ろしいのです。